歴史と星の町、佐久市臼田の魅力とは?
こんにちは。プラザ佐久です。
現在の佐久市は複数の自治体が合併して、今の姿となっています。このシリーズでは、それぞれ異なる佐久市内の各エリアの魅力をお伝えします。今回は、趣のある歴史と満天の星空を楽しめる、臼田エリアにフォーカス。臼田地区の歴史や自然が誇る魅力を、たっぷりとご紹介します。
佐久市の臼田エリアとは?
佐久市臼田エリアは、長野県の東部に位置する豊かな自然が残る地域です。明治初期に臼田村として開村し、臼田町の時代を経て、2005年に佐久市と合併して現在の形になりました。2024年10月の時点で人口約4,000人、世帯数は約2,000戸ほどとなっているそうです。
自然豊かで素朴な風景が広がる地域
臼田は町の中央に千曲川が流れ、北には浅間山、南には八ヶ岳連峰を望める土地です。総面積の約7割を森林が占めており、季節ごとに美しい様相を見せてくれます。
稲作を中心に農業で栄えた地域ですが、りんごやプルーンなどの果樹栽培も盛んです。豊かな自然が残りながらも、公共施設や総合病院、スーパーやコンビニもあり、生活に必要な機能が充実しています。
天体観測のできる町
標高が高く空気が澄み、晴天率が高い臼田地区は、天体観測に最適な場所として有名で、「ほしのまち臼田」とも呼ばれているそうです。宇宙に関する施設が充実し、町の各所には「おとめ座通り」「いて座通り」など星座の名前がついた通りがあります。
臼田を楽しめるスポット
歴史や天体観測を楽しめる臼田エリアを堪能できるスポットをご紹介します。
日本一大きなパラボラアンテナ「臼田宇宙空間観測所」
臼田宇宙空間観測所
(DL:2024/12/25、撮影:佐久市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際から転載)
「ほしのまち臼田」を象徴するものの一つに、「臼田宇宙空間観測所」があります。1984年10月、宇宙科学研究所のスペースセンターとして設立されたこの施設は、惑星や彗星、月などの衛星に接近して観測を行う宇宙探査機に向け、動作指令を送信するほか、探査機から観測データを受信しているそうです。
施設の中核をなす大型のパラボラアンテナは、直径64mで総重量1980トン。これは日本一を誇る大きさだそうです。施設内外には、アンテナの仕組みを解説した展示棟や、太陽系を100億分の1に縮小した模型があり、太陽系の大きさを感じられます。
参考:JAXA「臼田宇宙観測所」
天体観測ができる「うすだスタードーム」
天体観測施設うすだスタードーム竣工式①
(DL:2024/12/25、撮影:佐久市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際から転載)
1996年11月に開館した佐久市天体観測施設は、「うすだスタードーム」の愛称で親しまれる施設です。
口径60cmの反射望遠鏡や20cm屈折望遠鏡が設置されており、本格的な天体観測を楽しめます。ほかには、天文解説や星空のスライドショーもあります。
参考:佐久市「うすだスタードーム」
宇宙公園として名高い「稲荷山公園」
コスモタワー 紅葉①
(DL:2024/12/25、撮影:佐久市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際から転載)
臼田城山にある「稲荷山公園」は、宇宙公園として整備された全国的に見ても珍しい公園です。園内には、宇宙ロケット型展望台「コスモタワー」があり、高さ35mの見晴らしは信州サンセットポイント100選に選ばれた絶景です。
天気がいい日には浅間山や北アルプスが見られるでしょう。全長約63mのローラースライダーをメインとした宇宙衛星スライダーやマレットゴルフ場、花木園、芝生広場、遊歩道があります。
参考:佐久市「稲荷山公園」
星形に突き出た擬洋式城郭「龍岡城五稜郭」
五稜郭 空撮②(令和6年)
(DL:2024/12/25、撮影:佐久市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際から転載)
「龍岡城五稜郭」は、1867年に田野口藩主・松平乗謨によって造られました。五稜郭とは、稜堡が五カ所設置された五稜星形の平面形状からの通称で、16世紀のヨーロッパが起源で、銃や大砲に対する防御側の死角を少なくする構造として考案されたといわれています。
廃藩後の1872年に城部分は取り壊されましたが、堀や土塁、建物の一部であるお台所は城内に現存しています。事前予約することで、内部の見学が可能です。
また、お台所には近隣の寺院である蕃松院から子どもたちの学校が移転され、2023年まで佐久市立田口小学校の校地として使われました。現在は統合のため校舎だけが残っている状態ですが、お城の敷地内に学校が建設されたことは、全国的に見ても珍しい例です。
参考:佐久市観光協会「龍岡城五稜郭」
広大な境内「新海三社神社」
新海三社神社 桜(令和3年)
(DL:2024/12/25、撮影:佐久市、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際から転載)
龍岡城五稜郭の北東に位置する「新海三社神社」は、主神の興波岐命(おきはぎのみこと)を東本社に、中本社に建御名方命(たけみなかたのみこと)、西本社に事代主命(ことしろぬしのみこと)を祀った歴史のある神社です。創建時期は不詳ですが、興波岐命が新開神(にいさくのかみ)と称されていたことが「佐久」の地名の由来といわれています。
旧境内の古墳からは、蕨手刀(わらびてとう)や源頼朝による社殿修理再興時の口碑、武田信玄の戦勝祈願の願文が発見されたそうです。
東本社は一間社流造(いっけんしゃながれづくり)、桧皮葺(ひわだぶき)、母屋の柱貫木鼻(はしらぬききばな)の笹模様など時代的な特徴が残っており、国の重要文化財に指定されています。
参考:佐久市観光協会「新海三社神社」
臼田の特産品
臼田エリアにお越しの際に味わっていただきたい地元のグルメをご紹介します。
若鶏のジューシーさが格別「むしり」
臼田のソウルフード、「むしり」をご存知でしょうか。むしりは鶏肉をじっくり焼き上げ、外側はパリパリ、内側はやわらかな肉質を味わえる鶏料理です。
西洋風にナイフやフォークを使わずに、豪快にむしりながら食べることが名前の由来といわれています。臼田地区で養鶏が盛んだった1950年前後に誕生して以来、長く愛され続けています。
一度食べたら忘れられない味わいで、地元の方のみならず久しぶりに臼田に帰省した方や観光の方にもファンが多い料理です。
参考:佐久市観光協会「むしり」
臼田地区発祥「サンプルーン」
臼田が原産地の「サンプルーン」は、9月中旬〜下旬に食べ頃を迎えるプルーンの一種です。短楕円形の果実は、1粒が30g程度でほどよい酸味よりも甘味が強く、濃厚な味わいが特徴です。
長野県はプルーンの産地としても有名で、ドライフルーツではなく生食の文化があります。臼田地区の晴天率が高くて朝晩の気温差が大きい気候は、サンプルーンの栽培に適しており、良質な果実が収穫できます。
参考:JA全農長野「サンプルーン」
歴史的な建造物ときれいな星を堪能できる佐久市・臼田へ
佐久市臼田地区は、宇宙に関する施設のほか、豊かな自然と歴史に満ちた地域です。山や川、空を眺めてゆったりとした時間の流れを感じたり、地元の特産品を味わったりして過ごしてみてはいかがでしょうか。
プラザ佐久では、臼田地区で作られている地酒や粕漬なども取り扱っています。公式通販サイトからご注文いただけます。