佐久・中山道さんぽ 第6弾|八幡宿:喧騒から離れて、歴史にふれる静かなひととき

こんにちは。プラザ佐久です。
天気の良い日は、どこかへ出かけたくなりますよね。佐久市の中山道沿いには、のんびり歩いて楽しめる宿場町が点在しています。
今回の連載では、各宿場町の魅力や見どころをご紹介します。宿場町を巡る「歴史さんぽ」はいかがでしょうか。
第6弾は「八幡宿(やわたしゅく)」です。
喧騒から離れ、静かな時間が流れる町並みのなかを歩く旅です。

八幡宿とは

八幡宿は、千曲川の西岸に位置しています。対岸の塩名田宿の加宿である御馬寄地区や、次である望月宿からは約3kmと、比較的近い距離にあります。
この宿場町は、慶長年間(1596〜1615年)から元和(げんな)年間(1615〜1624年)にかけて整備されたそうです。その際に、当時周辺にあった八幡・蓬田・桑山の3村が集まって形成されたそうです。
本陣/問屋1軒(小松家)、脇本陣3軒(小松家・松沢家・鷹野家)、脇本陣/問屋1軒(依田家)、旅籠3軒がありました。比較的小規模な宿場だったとされているそうですが、脇本陣が4軒と多いことが特徴です。

宿場間の距離が近い位置に整備され、脇本陣が多かった背景には、千曲川の川止めや八幡宿と望月宿の間にある瓜生坂(うりゅうざか)という難所の影響、この近辺一帯が強粘土質で降雨や雪解けによって通行が困難になると、旅人が滞留しやすかったためだそうです。

また、宿場町としては1つにまとめられていましたが、もともと3つの村が集まって作られた経緯から、村ごとに名主などの村役がおり、それぞれ独立して運営されていたそうです。

八幡宿の東側は、粘土質の土壌が水田に適していたため、後に市川五郎兵衛によって開拓されました。現在では、その功績によってできた広大な「五郎兵衛新田」が広がっており、この地域のブランド米である「五郎兵衛米」を育んでいます。

五郎兵衛米については、プラザ佐久のこちらの記事もご覧ください。
佐久市観光のお土産に最適!幻の米「五郎兵衛米」とは?

引用:佐久市デジタルフォトギャラリー

参照:佐久商工会議所:佐久歴史の道

町並み・見どころ

八幡宿には、江戸時代の宿場町の面影を感じさせる静かな町並みが広がっています。周辺に観光用の駐車場は設置されていませんが、八幡神社の裏手にある駐車場がアクセスしやすく便利です。
詳しい場所は地図をご参照ください。

かつての宿場町を感じられる場所

町内には本陣や問屋、脇本陣の跡地が点在し、現存する建物もあります。
本陣跡(小松屋)は、八幡宿の中央付近にあり、現在も当時の場所に門(薬医門)が現存しています。この門は中山道沿いの宿場本陣で最も古いといわれているそうで、佐久市の指定史跡にもなっています。
脇本陣や問屋跡も町内に点在し、依田家などに一部の建物が現存しています。往時のままの姿で残る建物は限られていますが、外観や門などが史跡として現存しており、説明板が設置されており、宿場の歴史を学ぶ手がかりとなっています。

本陣から約90mの場所に、富岡街道のわかされ(街道の分岐点)があります。ここから南へ富岡街道(下仁田・富岡方面)や、野沢を経て佐久甲州道など複数の道が分岐しているそうで、米や特産品の流通や旅人の往来など、交通の要衝だったことがうかがえます。

参照:佐久広域連合

寺社

八幡神社は、この地域の鎮守社(ちんじゅしゃ)であり、八幡宿の地名の由来となった神社です。佐久市の有形文化財に指定されている本殿、瑞垣門(みずがきもん)、随神門、算額があり、見事な彫刻が施されています。算額に関しては額殿に奉納されており、長野県で最古の物と言われているそうです。
また、境内には八幡神社の旧本殿である高良社(こうらしゃ)があり、こちらは国の重要文化財に指定されています。
八幡神社の前には、八幡宿の江戸方の枡形(ますがた:入口)があったそうで、現在でも神社前の道路が多少広くなっています。八幡宿においては、京方の枡形が作られた記録や形跡がないそうです。

八幡宿周辺のグルメ

竹とんぼ

八幡宿から徒歩15分の場所にある中華レストランです。
特産品である五郎兵衛米の米粉や、信州サーモンなど、地元の食材を活かしたメニューのほか、予約をすればジビエや佐久鯉なども楽しめます。

宴会のご予約や、オードブルなども取り扱っています。詳しい情報や営業時間などは、以下のリンクをご参照ください。
レストラン竹とんぼ

ちゃたまや:お菓子

八幡宿から徒歩16分の場所に、佐久市で人気の卵とスイーツのお店「ちゃたまや」があります。
地元で生産された卵にはこだわりがあり、ジェラート、シュークリーム、焼き菓子の数々、お惣菜やお弁当など、さまざまな商品がそろっています。
宿場町さんぽの休憩処として、おいしいスイーツを楽しむのもおすすめです。

詳しい情報や営業時間は、以下のリンクをご参照ください。
ちゃたまや

また、プラザ佐久ではちゃたまやに関する記事も掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。
ほっとぱーく浅科にちゃたまやが出店・魅力をご紹介

八幡宿を満喫するための過ごし方

歴史と史跡めぐり

八幡宿に残る史跡や町並みを散策しながら、当時の雰囲気を味わえます。
特に八幡神社は、この地域の鎮守社であり、佐久市有形文化財や国の重要文化財に指定された建造物も見どころです。参拝とあわせて歴史的な価値のある建築や彫刻を楽しんでください。

地元食材のグルメを楽しむ

八幡宿周辺には、地元の食材を使った中華レストランの「竹とんぼ」や人気のスイーツ店「ちゃたまや」があります。いずれも徒歩圏内にあり、気軽に立ち寄ることができます。場町さんぽの際は、昼食や休憩処として自慢の味をゆっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。

所要時間の目安

八幡宿の主要スポットは、徒歩で約1〜2時間で巡ることができます。歴史ある町並みや史跡をゆっくりと楽しんでください。
宿場町さんぽとあわせて、地元のグルメを味わうのもおすすめです。

アクセス・さんぽのポイント

・JR佐久平駅から車で13分
・佐久中佐都ICから車で9分
・佐久南ICから車で12分
・八幡神社の境内にトイレがあります。地図などでトイレの情報が見当たらないことがありますが、境内にある随神門の近くに設置されています。
・飲食店が少ないため、飲み物などを持参すると安心です。

まとめ

八幡宿は、江戸時代の歴史や独特の町割りが今も息づく静かな宿場町です。脇本陣の多さや複雑な住所体系など、他の宿場町にはない個性があります。自然と歴史が調和した町並みを歩きながら、心穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

中山道や八幡宿のある浅科地区については、別記事でも詳しく紹介していますのでご覧ください。
歴史が息づく中山道・佐久の宿場町めぐり
【佐久エリア紹介】浅科地区の魅力とは?都会の喧騒を離れたひとときを
夏の夜空を彩る花火大会をご紹介

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